21 歳の男性。下顎右側智歯部の疼痛と腫脹を主訴として来院した。3 日前から右側…
21 歳の男性。下顎右側智歯部の疼痛と腫脹を主訴として来院した。3 日前から右側顎下部に腫脹が出現し、徐々に拡大し嚥下痛が強くなり、飲水ができないという。体温は37.8℃、腫脹部は弾性硬で、開口量は20 mm、呼吸障害は認めない。初診時の顔貌写真(別冊No. 3A)、口腔内写真(別冊No. 3B)、エックス線画像(別冊No. 3C)及び造影CT(別冊No. 3D)を別に示す。まず行うべき処置はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 輸液急性炎症期の開口訓練は痛みを増し、炎症を悪化させるため行いません。
- ⑵ 開口訓練飲水できず発熱もあるため、脱水を補う輸液がまず必要です。
- ⑶ 原因歯の抜去急性炎症期の抜歯は感染拡大の恐れがあり、消炎後に行います。
- ⑷ 抗菌薬の投与炎症の拡大を抑えるため抗菌薬の全身投与をまず行います。
- ⑸ 顎下部の切開排膿腫脹は弾性硬で膿瘍形成が明らかでない段階であり、切開排膿は時期尚早です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑷です。画像は見られないため本文から考えます。智歯周囲炎から顎下部に炎症が波及し、発熱・開口障害・強い嚥下痛で飲水もできない状態です。腫脹部は弾性硬で、膿瘍が明らかに形成された段階とは言いにくく、まずは脱水を補正する輸液と、抗菌薬の投与で炎症の拡大を抑えることが優先されます。原因歯の抜去は急性炎症が落ち着いてから行い、開口訓練も急性期には控えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成