50歳の男性。下肢のむくみと泡立つ尿を訴え、ネフローゼ症候群と診断された。尿に多…
50歳の男性。下肢のむくみと泡立つ尿を訴え、ネフローゼ症候群と診断された。尿に多量のたんぱく質が出ている。抜歯の前に、内科の主治医から病状の説明を受けた。尿にたんぱく質が出る理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 尿細管の細胞が、血液中のたんぱく質を尿の中へ盛んに分泌した。尿細管はろ過されたたんぱく質を再吸収する場所で、多量に分泌することはありません。
- ⑵ 糸球体のろ過の仕組みが壊れ、アルブミンなどがろ過されて尿に出た。糸球体の基底膜や足細胞が障害されると、大きなたんぱく質もろ過されます。
- ⑶ 抗利尿ホルモンが不足し、尿の量とともにたんぱく質の排出が増えた。抗利尿ホルモンの不足は尿量を増やしますが、たんぱく尿の原因にはなりません。
- ⑷ 肝臓で作られるアルブミンが増えすぎ、余った分が尿に出た。ネフローゼ症候群では尿に失われる分が多く、血中のアルブミンはむしろ低下します。
- ⑸ 膀胱の粘膜から、たんぱく質を多く含む粘液が尿に混じって出た。膀胱の粘液では多量のたんぱく尿は起こらず、ネフローゼ症候群の機序とは異なります。
解説
最も適切なのは、糸球体のろ過の仕組みが壊れ、ふつうは通らないアルブミンなどがろ過されて尿に出たという説明です。糸球体は、基底膜や足細胞によって血球や大きなたんぱく質を通さない仕組みをもっています。ここが障害されると、多量のたんぱく質が尿に失われ、血中のアルブミンが減って血漿の膠質浸透圧が下がり、むくみが生じます。治療に用いる副腎皮質ステロイドは、歯科治療の際にも注意が必要です。
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