52歳の男性。胸やけと酸っぱいものが上がってくる症状が続いており、逆流性食道炎と…
52歳の男性。胸やけと酸っぱいものが上がってくる症状が続いており、逆流性食道炎と診断されている。口腔内では、上顎の臼歯の口蓋側の歯面がなめらかに溶けたように欠損している。この欠損の原因として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 胆嚢から出た胆汁が口腔まで逆流し、その中の消化酵素が歯を溶かした。胆汁は十二指腸に出るもので、歯を溶かす消化酵素は含みません。
- ⑵ 膵臓から出たたんぱく質分解酵素が逆流し、歯のエナメル質を分解した。膵液は十二指腸に出るもので、エナメル質の主成分は無機質のため酵素では分解されません。
- ⑶ 下部食道括約筋の働きが弱まり、胃酸が口腔まで逆流して歯を溶かした。胃から逆流した塩酸が歯に触れ、酸蝕症を起こします。口蓋側は舌で酸が保たれやすい部位です。
- ⑷ 胃の粘膜から出る粘液がアルカリ性で、歯の表面を化学的に溶かした。胃の粘液は胃の壁を守るもので、歯を溶かす原因にはなりません。
- ⑸ 唾液腺から出る唾液が強い酸性に変わり、歯の表面を溶かした。唾液は重炭酸イオンなどで酸を中和する働きをもち、強い酸性にはなりません。
解説
最も適切なのは、下部食道括約筋の働きが弱まり、胃酸が食道から口腔まで逆流して歯を溶かしたという説明です。胃の壁細胞が分泌する塩酸は強い酸で、繰り返し口腔に達するとエナメル質が溶け、表面がなめらかな酸蝕症になります。逆流した酸は舌で口蓋側に押し付けられやすく、上顎の歯の口蓋側に欠損が出やすくなります。治療には、原因となる病気への対応と、フッ化物の応用などの歯の保護を組み合わせます。
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