48歳の男性。1日20本の喫煙を30年続けている。歯の動揺を主訴に来院した。全顎…
48歳の男性。1日20本の喫煙を30年続けている。歯の動揺を主訴に来院した。全顎的に深い歯周ポケットと骨吸収がみられるが、歯肉の発赤は目立たず、プロービング時の出血もわずかである。歯肉の出血が少ない理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 喫煙によって歯肉が角化して厚くなり、歯周ポケットが浅くなっている。この患者では深い歯周ポケットがあり、ポケットは浅くなっていません。
- ⑵ 喫煙によって唾液が増え、歯肉の炎症が洗い流されている。喫煙で唾液が増えて炎症が治まることはありません。
- ⑶ 喫煙によって口腔内の歯周病原細菌が死滅し、炎症が治まっている。喫煙者でも歯周病原細菌は減らず、むしろ歯周炎が進みやすくなります。
- ⑷ 喫煙によって歯肉の血管が収縮し、炎症があっても出血が起こりにくい。ニコチンの血管収縮作用で歯肉の血流が減り、炎症の徴候が表に出にくくなります。
- ⑸ 喫煙によって血小板が減少し、出血の量が少なくなっている。喫煙で血小板が減ることはなく、出血が少ないのは血流の低下によります。
解説
最も適切なのは、喫煙によって歯肉の血管が収縮し、炎症があっても出血が起こりにくいことです。喫煙は歯周炎の大きな危険因子で、免疫の働きや組織の治癒を妨げ、歯周炎を進めます。一方で、ニコチンの血管収縮作用で歯肉の血流が減るため、発赤や出血といった炎症の徴候が目立たず、病状が実際より軽く見えます。喫煙者の歯周組織の診査では、この点に注意し、禁煙の支援もあわせて行います。
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