64歳の男性。歯根が破折した下顎左側第一大臼歯の抜歯を予定して来院した。高血圧の…
64歳の男性。歯根が破折した下顎左側第一大臼歯の抜歯を予定して来院した。高血圧の治療を受けていたが、半年前から自己判断で降圧薬を飲んでいない。来院時の血圧は196/114mmHgで、5分間安静にしたあと測り直しても192/112mmHgであった。頭痛や胸の痛みはない。この日の対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 緊張による一時的な上昇とみなし、その後は測らずに予定どおり抜歯する。安静後も高値が続いており、一時的な上昇とはいえません。処置中の監視も必要です。
- ⑵ 抜歯後の出血を抑えるため、抗血小板薬を処方してから抜歯を始める。抗血小板薬は血を止まりにくくする薬で、出血をかえって増やします。
- ⑶ 局所麻酔薬にアドレナリンを多めに加え、血圧を下げてから抜歯する。アドレナリンは心拍数と血圧を上げる作用があり、血圧を下げる目的には使いません。
- ⑷ 予定していた抜歯は延期し、内科に血圧の評価と管理を依頼する。血圧が高いまま観血的な処置を行うと、循環器の合併症や出血の危険が高まります。
- ⑸ 歯科医院で降圧薬を静脈内に投与し、血圧が下がりしだい抜歯を始める。服薬を中断した高血圧の管理は内科で行うもので、急に下げる処置は危険を伴います。
解説
最も適切なのは、予定していた抜歯を延期し、内科に血圧の評価と管理を依頼することです。安静にしても収縮期血圧が180mmHgを大きく超える状態が続いており、このまま抜歯を行うと、痛みや緊張でさらに血圧が上がり、脳出血や心筋虚血、止まりにくい出血を招くおそれがあります。急を要しない処置は、全身状態が整ってから行うのが治療の基本です。服薬を再開して血圧が安定してから、抜歯を計画し直します。
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