63歳の男性。舌癌の術後で、下顎を含む範囲に放射線治療を始める予定である。口腔内…
63歳の男性。舌癌の術後で、下顎を含む範囲に放射線治療を始める予定である。口腔内には、重度の歯周炎で保存が難しい下顎左側第一大臼歯と、清掃状態の悪い多数の歯がある。放射線治療を始める前の口腔管理として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 保存が難しい下顎左側第一大臼歯を照射前に抜歯し、治癒を待って照射を始めてもらう。照射後の抜歯は放射線性骨壊死の誘因になるため、予後不良の歯は照射前に抜歯します。
- ⑵ 口腔乾燥を防ぐため、照射前に唾液腺の導管を結紮する手術を耳鼻科に依頼する。導管の結紮は唾液の流出を妨げるだけで、口腔乾燥の予防にはなりません。
- ⑶ 照射の範囲に入る部分床義歯は、粘膜を保護するため照射の期間中も夜間に装着させる。照射中の粘膜は傷つきやすく、義歯の装着は粘膜炎を悪化させるため控えます。
- ⑷ 抜歯による出血を避けるため、照射が終わった直後に下顎左側第一大臼歯を抜歯する計画を立てる。照射後の顎骨は血流が乏しく、抜歯をきっかけに放射線性骨壊死を起こしやすくなります。
- ⑸ 照射中は粘膜を刺激しないよう、フッ化物の応用を中止して歯みがきの回数を減らす。照射中から照射後は唾液が減って齲蝕が増えるため、フッ化物の応用と清掃を続けます。
解説
最も適切なのは、保存が難しい歯を照射前に抜歯し、抜歯創の治癒を待ってから照射を始めてもらうことです。顎骨に放射線が当たると骨の血流と治癒力が落ち、照射後の抜歯は放射線性骨壊死の誘因になります。そのため、照射前に感染源となる歯を処置しておきます。照射中から照射後は唾液が減って齲蝕が起こりやすくなるため、フッ化物の応用と口腔清掃を続け、粘膜を傷つける義歯の装着は控えます。
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