18歳の男性。下顎が前に出ていることを主訴に来院した。頭部エックス線規格写真の分…
18歳の男性。下顎が前に出ていることを主訴に来院した。頭部エックス線規格写真の分析で、下顎骨が上顎骨に対して大きく前方に位置していたが、前歯の被蓋はわずかに正であった。上顎中切歯は唇側に強く傾き、下顎中切歯は舌側に強く傾いていた。この前歯の傾きの解釈として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 上下の顎骨の位置に問題はなく、前歯の傾きの異常が主訴の原因である。分析で下顎骨の大きな前方の位置が確かめられています。
- ⑵ 前歯の傾きが原因となって、下顎骨が成長の過程で前方へ大きく押し出された。歯の傾きが顎骨を前へ押し出すことはありません。
- ⑶ 上下の顎骨の前後的なずれを、前歯の傾きが補い、前歯の被蓋を保っている。歯槽性の補償で、骨格のずれが歯の傾きで隠されています。
- ⑷ 前歯の傾きは骨格とは独立した偶然の所見で、治療の計画とは切り離して考える。歯の傾きは骨格と関連しており、治療の計画に大きく影響します。
- ⑸ 上下の前歯の傾きは、頭部エックス線規格写真の撮影の誤差によって生じている。撮影の誤差ではなく、歯の実際の傾きを示しています。
解説
最も適切なのは、上下の顎骨の前後的なずれを前歯の傾きが補い、前歯の被蓋を保っていることです。骨格性の下顎前突では、上顎前歯が唇側へ、下顎前歯が舌側へ傾くことで、顎骨のずれを補って前歯がかみ合うことがあり、これを歯槽性の補償といいます。外科的矯正治療を行う場合は、手術の前にこの傾きを元に戻し、顎骨を正しい位置に動かせるようにしておきます。
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