68歳の女性。舌がひりひりして食事がしみることを主訴に来院した。舌の表面は赤く平…
68歳の女性。舌がひりひりして食事がしみることを主訴に来院した。舌の表面は赤く平らで、舌乳頭が失われている。10年前に胃癌のため胃の全摘出術を受けた。血液検査では赤血球が大きく、数が減っている。この貧血の仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腎臓で作られるエリスロポエチンが減り、骨髄での赤血球の産生が落ちた。腎性の貧血では、赤血球の大きさはふつう正常です。
- ⑵ 骨髄の造血の細胞そのものが減り、赤血球・白血球・血小板が作れなくなった。再生不良性貧血の仕組みで、胃の全摘出との関係はありません。
- ⑶ 十二指腸での鉄の吸収が落ち、ヘモグロビンの材料が不足して赤血球が作れなくなった。鉄の不足による貧血では、赤血球は小さくなります。
- ⑷ 脾臓で赤血球が過剰に壊され、骨髄での産生が追いつかなくなった。溶血による貧血で、胃の全摘出や舌の変化とは結びつきません。
- ⑸ 胃の壁細胞から出る内因子がなくなり、ビタミンB12が吸収されにくくなった。内因子はビタミンB12の吸収に必要で、胃の全摘出で失われます。
解説
最も適切なのは、胃の壁細胞から出る内因子がなくなり、ビタミンB12が吸収されにくくなったことです。ビタミンB12は内因子と結合して回腸で吸収されます。胃を全摘出すると内因子が作られず、数年たって体内の蓄えが尽きると、赤血球の大きい巨赤芽球性貧血が起こります。舌乳頭が失われて赤く平らになる舌炎を伴うことがあり、歯科で気づかれる手がかりになります。
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