12歳の男児。永久歯が生えてこないことを主訴に来院した。両肩を体の前で近づけるこ…
12歳の男児。永久歯が生えてこないことを主訴に来院した。両肩を体の前で近づけることができ、鎖骨の形成不全を指摘されている。多くの乳歯が残っており、パノラマエックス線写真では、顎骨内に多数の永久歯と過剰歯が埋伏している。この患児への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 過剰歯を摘出し、埋伏した永久歯を開窓して矯正力で牽引する。萌出を妨げる過剰歯を除き、埋伏歯を牽引して歯列に誘導します。
- ⑵ 顎裂部に腸骨の海綿骨を移植し、永久歯の萌出路を作る。顎裂部への骨移植は唇顎口蓋裂の治療で、この疾患の対応ではありません。
- ⑶ 残っている乳歯を一度に抜去し、上下顎に全部床義歯を装着する。顎骨内に永久歯が残っており、成長期の小児に全部床義歯で対応するのは不適切です。
- ⑷ 埋伏歯はやがて萌出するので、乳歯が動揺するまで処置を控える。この疾患では永久歯が自然に萌出しにくく、待っても萌出は期待できません。
- ⑸ 甲状腺ホルモンを補充して、永久歯の萌出を促す。萌出遅延は甲状腺機能低下症でも起こりますが、この症例の原因は骨の形成異常です。
解説
過剰歯を摘出し、埋伏した永久歯を開窓して矯正力で牽引するのが最も適切です。鎖骨の形成不全と多数の過剰歯、永久歯の萌出遅延がそろうのは鎖骨頭蓋異形成症の特徴です。この疾患では永久歯が自然には萌出しにくいため、乳歯の抜去、過剰歯の摘出、埋伏歯の開窓と牽引を、口腔外科と矯正歯科が連携して計画的に進めます。全身の状態にも配慮して治療を行います。
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