14歳の男子。前歯の咬み合わせが深いことを主訴に来院した。上顎中切歯は舌側へ傾き…
14歳の男子。前歯の咬み合わせが深いことを主訴に来院した。上顎中切歯は舌側へ傾き、上顎側切歯は唇側へ傾いている。咬むと下顎前歯の切縁が口蓋の歯肉に当たり、その部の歯肉に圧痕がある。上下顎骨の前後的なずれは軽度である。この患者の治療方針として適切なのはどれか。3つ選べ。
- ⑴ 下顎の成長を抑えるため、オトガイ部にチンキャップを装着する。チンキャップは下顎前突に用いる装置で、この症例の深い被蓋は改善しません。
- ⑵ 上顎の正中口蓋縫合を急速拡大して、前歯の深い被蓋を解消する。側方の拡大は臼歯部交叉咬合の治療で、前歯の垂直的な被蓋を浅くする方法ではありません。
- ⑶ 舌側へ傾いた上顎中切歯の歯軸を起こし、歯冠を唇側へ向ける。上顎中切歯の舌側傾斜を改善すると、前歯の被蓋と下顎の位置の関係が整います。
- ⑷ 下顎前歯の圧下や臼歯の挺出によって、前歯の深い被蓋を浅くする。垂直的な歯の位置を変えることで、過蓋咬合を改善します。
- ⑸ 口蓋の歯肉の圧痕が治療の経過で消えていくかを確かめる。下顎前歯が口蓋に当たらなくなれば歯肉の損傷は改善し、治療効果の目安になります。
解説
上顎中切歯の歯軸を起こすこと、深い被蓋を浅くすること、口蓋の歯肉の改善を確かめることの3つが適切です。上顎中切歯が舌側へ傾き、側切歯が唇側へ傾く深い被蓋は、上顎前突の一つの型です。中切歯の傾きを改善し、下顎前歯の圧下や臼歯の挺出で垂直的な被蓋を浅くします。下顎前歯が口蓋の歯肉に当たらなくなると、圧痕や炎症も治まっていきます。
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