9歳の男児。下顎の左右の第二乳臼歯を重度の齲蝕で抜去した。第一大臼歯は咬合してお…
9歳の男児。下顎の左右の第二乳臼歯を重度の齲蝕で抜去した。第一大臼歯は咬合しており、後継の第二小臼歯は歯根の形成が始まったばかりである。萌出の余地を保つため、左右の第一大臼歯に帯環を付けて前歯部の舌側に沿わせた舌側弧線装置を装着した。この装置について正しいのはどれか。
- ⑴ 弧線が前歯の唇側に位置し、口唇の圧から前歯を保護する。舌側弧線装置の弧線は前歯の舌側を通り、唇側に置くのは唇側弧線装置です。
- ⑵ 第一大臼歯の萌出を止めるため、装着中は咬合が低くなる。すでに咬合している大臼歯の萌出を止める装置ではなく、咬合高径は変わりません。
- ⑶ 第一大臼歯の近心への移動を防ぎ、後継永久歯の萌出の余地を保つ。前歯部の舌側に当てた弧線が大臼歯の近心移動を止め、保隙装置として働きます。
- ⑷ 下顎骨の正中部を左右に広げて、歯列弓の幅を拡大する。下顎骨には開く縫合がなく、この装置は顎骨を拡大する装置ではありません。
- ⑸ 患者が毎食後に取り外して洗い、清掃後に装着し直す。帯環を合着した固定式の装置で、患者が取り外すことはできません。
解説
第一大臼歯の近心移動を防いで後継永久歯の萌出の余地を保つ、が正しい説明です。乳臼歯を早期に失うと、後方の第一大臼歯が近心へ移動して萌出の余地が失われます。左右に乳臼歯の喪失がある下顎では、両側の大臼歯を前歯部の舌側に沿う弧線でつなぐと、前歯が支えになって大臼歯の移動を防げます。帯環で固定するため、患者は取り外せません。
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