生後3か月の乳児。兄が麻疹にかかったが、この乳児は発症しなかった。母親は過去に麻…
生後3か月の乳児。兄が麻疹にかかったが、この乳児は発症しなかった。母親は過去に麻疹にかかったことがある。この乳児が発症しなかった理由として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 胎盤を通してIgA が移行し、血液の中でウイルスと結合したため。IgA は胎盤を通過せず、母乳を通して乳児の腸の粘膜を守ります。
- ⑵ 母乳に含まれるIgE が、腸の中で麻疹ウイルスを中和したため。母乳に多い抗体はIgA で、IgE はアレルギーや寄生虫への反応に関わります。
- ⑶ 胎盤を通して、母親のIgG が胎児の血液に移行していたため。IgG は胎盤を通過できる唯一の抗体で、生後数か月の乳児を感染から守ります。
- ⑷ 出生のときに、胸腺から麻疹に対する記憶細胞が放出されたため。記憶細胞は本人が抗原に出会ってから作られ、出生時に用意されているわけではありません。
- ⑸ 乳児自身の形質細胞が、IgM を出生直後から大量に作っていたため。乳児の抗体を作る力は未熟で、この時期の防御は母親からの抗体に頼っています。
解説
胎盤を通して母親のIgG が移行していたため、が最も考えられます。IgG は胎盤を通過できる抗体で、母親が麻疹にかかったりワクチンを受けたりして持っている抗体が、胎児に移ります。このように他者が作った抗体を受け取る仕組みを受動免疫といい、効果は生後数か月で失われます。そのため、麻疹のワクチンは母親からの抗体が減る1歳ごろに接種します。
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