65歳の男性。2週間後に食道がんの手術を全身麻酔下で受ける予定で、外科から術前の…
65歳の男性。2週間後に食道がんの手術を全身麻酔下で受ける予定で、外科から術前の口腔管理を依頼された。口腔内には動揺の大きい下顎右側中切歯と、全顎的な多量の歯石がみられる。歯科の対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 口腔の処置は術後の回復を待ってから始め、手術までは含嗽剤によるうがいの指導にとどめる。術後の肺炎を防ぐには、手術の前に歯石を除去して口腔内の細菌を減らしておきます。
- ⑵ 手術前の2週間、抗菌薬を毎日内服させることで、歯石の除去と口腔清掃の代わりとする。抗菌薬の内服ではバイオフィルムや歯石は除けず、耐性菌を生む原因にもなります。
- ⑶ 動揺している中切歯は手術後にまとめて対応することとし、術前は義歯の新製を優先する。動揺歯は挿管操作で脱落して誤嚥されるおそれがあり、術前に対応を決めておきます。
- ⑷ 歯科で処置をすると感染の危険が増えるため、術前の口腔管理は病棟看護師が単独で行う。歯石除去や動揺歯の判断は歯科の専門的な処置で、看護師と連携して歯科が担います。
- ⑸ 歯石を除去して口腔内の細菌を減らし、挿管時に脱落しそうな歯への対応を麻酔科と相談する。術前の口腔管理は術後肺炎の予防と、気管挿管時の歯の脱落の防止に役立ちます。
解説
歯石を除去して口腔内の細菌を減らし、動揺の大きい歯について麻酔科と対応を相談するのが最も適切です。全身麻酔下の手術では、口腔内の細菌が気管に入ると術後肺炎の原因になります。とくに食道がんの手術は術後肺炎が起こりやすく、術前の口腔管理が重視されます。また、動揺の大きい歯は気管挿管の際に脱落して誤嚥されるおそれがあるため、抜歯や固定、マウスガードの使用などを術前に検討します。
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