4歳の男児。下顎左側第一乳臼歯に、咬合面と近遠心の隣接面にわたる広い齲蝕があり、…
4歳の男児。下顎左側第一乳臼歯に、咬合面と近遠心の隣接面にわたる広い齲蝕があり、生活歯髄切断を行った。残った歯冠は薄く、隣在歯との接触も失われている。この歯の歯冠修復として適切なのはどれか。
- ⑴ 歯冠が薄いので窩洞は形成せず、修復をしないで経過をみる。修復しないと歯冠が破折し、隣在歯の移動や齲蝕の再発を招きます。
- ⑵ 歯冠を抜去し、可撤式の保隙装置で空隙を保つ。保存できる乳歯を抜去する理由はありません。
- ⑶ コンポジットレジンで歯冠を築盛し、隣在歯との接触は回復しない。隣在歯との接触を回復しないと、歯の移動や食片圧入が起こります。
- ⑷ 歯冠全体を覆う既製の乳歯用金属冠を調整し、装着する。既製金属冠は歯冠を全体に覆って破折を防ぎ、短い時間で形態と接触を回復できます。
- ⑸ 陶材焼付鋳造冠を作製し、永久歯と同じ方法で装着する。乳歯には技工に時間と費用のかかる陶材焼付鋳造冠は通常用いません。
解説
歯冠全体を覆う既製の乳歯用金属冠を調整して装着するのが適切です。乳臼歯で多くの歯面に及ぶ齲蝕や、歯髄処置の後で歯冠が薄くなった歯は、成形修復では破折しやすく、隣在歯との接触の回復も難しくなります。既製金属冠は歯冠を全体に覆って残った歯質を守り、短い来院時間で形態と接触を回復できるため、小児に適しています。乳歯は後継永久歯と交換するまで歯列の空隙を保つ役割も担います。
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