成長ホルモン分泌刺激試験の結果、母親が自宅で毎晩A 君に成長ホルモン製剤を注射す…
次の文を読み103〜105 の問いに答えよ。A 君(5 歳、男児) は共働きの両親と3 人で暮らしている。2 歳6 か月で自閉スペクトラム症と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A 君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「A は病院が苦手で、予防接種はA の手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。診察の結果、1週後に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「A が血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
成長ホルモン分泌刺激試験の結果、母親が自宅で毎晩A 君に成長ホルモン製剤を注射することになった。外来で母親は注射の手技を習得し、A 君も注射に慣れた。自宅での注射に向けて、母親に確認する事項で優先度が高いのはどれか。
- ⑴ 保育所でのA 君の様子保育所での様子は成長や発達を知るうえで有用ですが、毎晩自宅で行う注射をどう生活に組み込むかという課題には直接結びつきません。
- ⑵ A 君と家族の日課毎晩の注射を無理なく続けるには、A君と家族の日課を確認して実施できる時間帯を一緒に決めることが最も重要です。
- ⑶ 家族の経済状況経済的な負担は必要に応じて小児慢性特定疾病の医療費助成などの情報提供につなげますが、実施計画を立てるうえで最優先ではありません。
- ⑷ 祖父母の居住地祖父母の居住地は支援者を把握する情報として意味がありますが、毎晩の注射を生活に組み込む計画に直接必要な事項ではありません。
解説
正解は⑵です。成長ホルモン製剤の注射は毎晩、長期にわたって家庭で続ける必要があるため、A君と家族の起床から就寝までの日課を確認し、共働きの両親が無理なく実施できる時間帯を一緒に決めることが最も優先されます。生活の流れに組み込めなければ続けられず、A君にとっても予測できる決まった手順として受け入れやすくなります。保育所での様子は在宅での注射の実施とは直接結びつかず、経済状況や祖父母の居住地も確認が必要になる場合はありますが、注射を毎晩続けるための計画を立てるうえで最優先の事項ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-03_04_05.html)を加工して作成