3日後、A さんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判…
次の文を読み97〜99 の問いに答えよ。A さん(92 歳、女性)は、脳梗塞の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。A さんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、A さんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。A さんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
3日後、A さんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。看護師が観察するA さんの状態はどれか。
- ⑴ 尿量の増加腎血流が減るため、この時期の尿量はむしろ著しく減少します。
- ⑵ 流涎の増加流涎の増加は死期が迫ったときの徴候として挙げられるものではありません。
- ⑶ 下痢便の出現経口摂取がなく腸の動きも落ちるため、下痢便が出ることは少なくなります。
- ⑷ 下顎呼吸の出現呼吸中枢の働きが落ちて現れる呼吸で、死の直前にみられる徴候です。
解説
正解は⑷です。下顎呼吸は、下顎を上下に動かして空気を取り込もうとする呼吸で、呼吸中枢の働きが落ちた死の直前に現れます。数時間以内に呼吸が止まることが多いため、家族に立ち会いの機会を伝える目安になります。ほかにも四肢の冷感やチアノーゼ、脈の触れにくさ、意識の低下がそろって現れます。この時期には腎血流が減って尿量は減り、下痢便が出ることも少なくなります。流涎の増加も死期の徴候として挙がるものではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-03_04_05.html)を加工して作成