妊娠38 週0日に陣痛発来し、A さんは入院となった。入院後12 時間の経過で子…
次の文を読み39〜41 の問いに答えよ。A さん(33 歳、初産婦)。30 歳で甲状腺機能亢進症を発症し、Basedow〈バセドウ〉病の診断により甲状腺亜全摘術を受け、レボチロキシンの内服を継続していた。Aさんは無月経を主訴に産婦人科を受診して、妊娠6週相当と診断された。また、診察で子宮体部の筋層内に複数の子宮筋腫が指摘されて子宮体部全体は新生児頭大であった。
妊娠38 週0日に陣痛発来し、A さんは入院となった。入院後12 時間の経過で子宮口が全開し、その後4時間で分娩となった。児は3,650 g の男児で、Apgar〈アプガー〉スコア1分後9点、5分後9点である。胎盤は児の娩出の5分後に自然娩出となった。その後も出血が持続しており、胎盤娩出後5分間の出血量は450mL となった。医師による診察が行われているが原因が特定できていない。A さんは意識清明で、バイタルサインは脈拍85/分、血圧120/75 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98 %(room air)である。この時点での A さんへの対応で最も優先されるのはどれか。
- ⑴ 飲水を促す。飲水では、失われた循環血液量を補えません。
- ⑵ 酸素を投与する。酸素飽和度は保たれており、優先されません。
- ⑶ 末梢静脈を血管確保する。輸液や輸血に備えて確保することが最優先になります。
- ⑷ 側臥位への体位変換を促す。体位の変換だけでは、出血に対応できません。
- ⑸ 弾性ストッキングの着用を勧める。血栓の予防であり、今の課題とは異なります。
解説
正解は⑶です。胎盤娩出後わずか5分で450mLの出血があり原因が特定できていない状況では、今後さらに出血が増える可能性が高く、輸液や輸血に備えて静脈路を確保しておくことが最優先になります。飲水や体位変換では循環を保てず、酸素投与や弾性ストッキングは今の段階で優先される対応ではありません。同時に医師へ報告し、出血量の測定と子宮収縮の確認を続けていきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html)を加工して作成