22 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。炎天下で運動中に頭痛と悪心が出…
22 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。炎天下で運動中に頭痛と悪心が出現した。ふらふらして真っ直ぐに歩けなくなり、倒れたところを友人が気付き、救急車を要請した。本人は水分を補給していなかった。既往歴に特記すべきことはない。意識レベルはJCSⅡ-30。心拍数116/分、整。血圧92/62mmHg。呼吸数24/分。SpO2 96 %(マスク5 L/分 酸素投与下)。瞳孔径は両側4 mm で対光反射は正常である。発汗はなく、体幹部から末梢にかけての皮膚は乾燥し、熱感を認める。最も適切な体温測定部位はどれか。
- ⑴ 前額部前額部の体表温は外気温の影響を受け、深部体温を反映しません。
- ⑵ 鼓膜鼓膜温は簡便ですが、測定誤差が大きく、重症熱中症の評価には適しません。
- ⑶ 舌下意識障害があり、頻呼吸もあるため舌下での測定は不正確で危険です。
- ⑷ 腋窩腋窩温は体表温で、深部体温を正確に反映しません。
- ⑸ 直腸直腸温は深部体温を反映し、重症熱中症の評価に適しています。
解説
正解は⑸です。炎天下での運動中に意識障害を来し、発汗が停止して皮膚が乾燥し熱感を認めることから、重症の熱中症(熱射病)が考えられます。熱中症の重症度判定と冷却の指標には深部体温の測定が必要で、直腸温や膀胱温、食道温が用いられます。腋窩温や前額部、舌下での測定は環境温の影響を受けやすく、深部体温を正確に反映しません。深部体温を継続的にモニタリングしながら、速やかに積極的冷却を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成