40 歳の女性。突然の胸痛と呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。意識レベルはJC…
40 歳の女性。突然の胸痛と呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。意識レベルはJCSⅡ-10。身長168 cm、体重60 kg。体温36.9 ℃。心拍数120/分、整。血圧80/60mmHg。呼吸数30/分。SpO2 91 %(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。毛細血管再充満時間3 秒。皮膚はチアノーゼを認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認める。呼吸音は左前胸部で消失し、打診で左胸部に鼓音を認める。胸部エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。まず行うのはどれか。
- ⑴ 胸腔ドレナージ緊張性気胸による閉塞性ショックには直ちに胸腔の減圧を行います。
- ⑵ 昇圧薬投与昇圧薬では静脈還流障害による閉塞性ショックは改善しません。
- ⑶ 赤血球輸血貧血はなく、出血性ショックではないため輸血の適応はありません。
- ⑷ 用手的陽圧換気陽圧換気は胸腔内圧をさらに上昇させ、緊張性気胸を悪化させます。
- ⑸ β 刺激薬投与気管支攣縮の所見はなく、β刺激薬は不要です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。突然の胸痛と呼吸困難に、ショック(血圧80/60mmHg、頻脈)、頸静脈怒張、左呼吸音の消失と鼓音を認めることから、緊張性気胸と考えられます。胸腔内圧の上昇により静脈還流が障害され、閉塞性ショックを来しています。直ちに胸腔の減圧が必要で、緊急の胸腔穿刺または胸腔ドレナージを行います。本来は臨床診断に基づき画像を待たずに減圧すべき病態です。陽圧換気は緊張性気胸を悪化させます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成