9 か月の女児。左足を動かさないことに母親が気付き来院した。1 週間前から発熱、…
9 か月の女児。左足を動かさないことに母親が気付き来院した。1 週間前から発熱、不機嫌があり、自宅近くの診療所で急性上気道炎と診断されていた。月齢相当の定期予防接種は接種済みである。不機嫌であるが、嘔吐は認めていない。体温40.2 ℃。大泉門は平坦、軟。左下肢に発赤、腫脹は認めない。左下肢は動かそうとせず、左股関節を他動的に動かすと他動方向によらず啼泣する。右下肢は動かし、右股関節を他動的に動かしても痛がる様子はない。左鼠径部のリンパ節の腫大を認める。血液所見:赤血球380 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 39 %、白血球22,000(好中球88 %、好酸球1 %、好塩基球1 %、単球5 %、リンパ球5 %)、血小板25 万。CRP 16.3 mg/dL。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 蜂巣炎蜂巣炎では皮膚の発赤や腫脹を認めますが、本例にはありません。
- ⑵ 急性白血病急性白血病では血球減少を伴うことが多く、本例の血液所見と合いません。
- ⑶ 股関節脱臼股関節脱臼では高熱や炎症反応の上昇は来しません。
- ⑷ 細菌性髄膜炎大泉門は平坦で、細菌性髄膜炎は片側下肢の運動制限では説明できません。
- ⑸ 化膿性股関節炎高熱と股関節の他動時痛、炎症反応上昇から化膿性股関節炎が考えられます。
解説
正解は⑸です。乳児が高熱とともに左下肢を動かさず、左股関節をどの方向に他動的に動かしても啼泣し、白血球とCRPの著明な上昇を認めることから、化膿性股関節炎が最も考えられます。乳児では骨幹端の血管が関節内に通じるため、骨髄炎から関節炎に波及しやすいです。関節内の圧上昇により大腿骨頭壊死や骨端線障害を起こすため、超音波で関節液貯留を確認し、関節穿刺で診断して緊急の切開排膿と抗菌薬投与を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成