1 歳3 か月の女児。画鋲を誤飲したため救急車で搬入された。机の上に置いてあった…
1 歳3 か月の女児。画鋲を誤飲したため救急車で搬入された。机の上に置いてあった画鋲を飲んだところを母親が目撃し、救急車を要請した。飲み込んだ画鋲と同じものを持参している。体温36.4 ℃。心拍数110/分、整。血圧84/50mmHg。呼吸数30/分。SpO2 98 %(room air)。機嫌はよく、顔色は良好である。努力呼吸を認めず、呼吸音に異常を認めない。腹部を軽く触ると平坦で軟らかく、啼泣は認めない。持参した画鋲の写真(別冊No. 3A)と来院時の胸腹部エックス線写真(別冊No. 3B)を別に示す。適切な対応はどれか。
- ⑴ 浣腸浣腸は上部消化管の鋭利な異物の除去には無効です。
- ⑵ 活性炭の投与活性炭は中毒物質の吸着に用い、金属異物には無効です。
- ⑶ 緩下薬の投与鋭利な異物を緩下薬で通過させると消化管穿孔の危険があります。
- ⑷ Heimlich 法の実施Heimlich法は気道異物に対する手技で、呼吸状態が安定した本例は適応外です。
- ⑸ 上部消化管内視鏡による摘出鋭利な消化管異物は穿孔の危険があり、内視鏡で摘出します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。乳幼児が画鋲を誤飲しており、エックス線写真では画鋲が胃内などの内視鏡で到達できる部位に描出されていると考えられます。画鋲のような鋭利な異物は消化管穿孔の危険が高いため、自然排出を待たず、内視鏡で摘出するのが原則です。食道内の鋭利な異物は緊急で摘出します。摘出の際はオーバーチューブやフードを用いて粘膜損傷を防ぎます。本例は呼吸状態が安定しており、気道異物ではないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成