72 歳の男性。右上葉肺癌に対して右上葉切除とリンパ節郭清術を施行された。手術翌…
72 歳の男性。右上葉肺癌に対して右上葉切除とリンパ節郭清術を施行された。手術翌日の昼から食事を開始した。手術翌日の夕方に胸腔ドレーンから白濁した排液を認めた。体温36.8 ℃。心拍数64/分、整。血圧124/68mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98 %(room air)。適切な対応はどれか。
- ⑴ 緊急手術全身状態は安定しており、まず保存的治療を行います。手術は難治例に限られます。
- ⑵ 経過観察乳び漏出が持続すると栄養障害や免疫低下を来すため、何もしないのは不適切です。
- ⑶ 低脂肪食長鎖脂肪酸を制限することで乳びの産生を減らせ、最初の保存的治療として適切です。
- ⑷ 抗菌薬投与発熱などの感染徴候はなく、白濁は乳びによるもので抗菌薬は不要です。
- ⑸ 完全静脈栄養完全静脈栄養は低脂肪食で改善しない場合の次の段階です。
解説
正解は⑶です。肺癌の肺葉切除とリンパ節郭清後、食事開始後に胸腔ドレーンから白濁した排液がみられることから、郭清時の胸管損傷による乳び胸と考えられます。乳びは食事中の長鎖脂肪酸がリンパ管を経て運ばれるため、脂肪摂取で増加します。全身状態が安定している場合は、まず低脂肪食や中鎖脂肪酸食で乳びの流量を減らす保存的治療を行います。改善しない場合は絶食・完全静脈栄養、さらに胸管結紮術を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成