85 歳の女性。左眼痛と頭痛を主訴に来院した。昨夜から左眼の視力低下と激しい頭痛…
85 歳の女性。左眼痛と頭痛を主訴に来院した。昨夜から左眼の視力低下と激しい頭痛があり、悪心と嘔吐も出現している。視力は右眼0.2(1.2 ×+3.5 D)、左眼手動弁(矯正不能)。左眼の細隙灯顕微鏡写真(別冊No. 16)を別に示す。対応で適切でないのはどれか。
- ⑴ 縮瞳薬点眼縮瞳薬は虹彩を伸展させて隅角を開放し、眼圧を下げるため適切です。
- ⑵ 水晶体摘出術水晶体摘出は前房を深くして瞳孔ブロックを解除する根治的治療として適切です。
- ⑶ アトロピン点眼散瞳により隅角がさらに閉塞し眼圧が上昇するため、禁忌で適切ではありません。
- ⑷ 高浸透圧利尿薬点滴マンニトールなどの高浸透圧薬は硝子体容積を減らして眼圧を下げます。
- ⑸ 炭酸脱水酵素阻害薬内服アセタゾラミドは房水産生を抑制して眼圧を下げるため適切です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢女性の急激な眼痛、視力低下、頭痛、悪心・嘔吐で、右眼は遠視であることから、急性原発閉塞隅角症(急性緑内障発作)と考えられます。治療は高浸透圧薬点滴や炭酸脱水酵素阻害薬で眼圧を下げ、ピロカルピンなどの縮瞳薬で隅角を開放したうえで、レーザー虹彩切開術や水晶体摘出術で根治を図ります。散瞳薬であるアトロピンは虹彩が隅角を閉塞させ、発作を悪化させるため禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成