64歳の男性。食道癌に対して食道を切除する手術を受けた。術後5日目に食事を始めた…
64歳の男性。食道癌に対して食道を切除する手術を受けた。術後5日目に食事を始めたところ、右の胸腔のドレーンから牛乳のように白く濁った液体が1日1,000 mL以上出るようになった。排液の中性脂肪の濃度が高い。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 手術で傷ついた血管から、血液が胸腔にたまっている。出血であれば排液は赤い血性になります。
- ⑵ 吻合部がほころび、食べた物が胸腔に漏れ出ている。縫合不全では食物や唾液が漏れて感染を起こし、排液は膿性で悪臭を伴います。
- ⑶ リンパの太い管が傷つき、脂肪を含むリンパ液が漏れている。食道の手術で胸管が傷つくと、食事で脂肪の多いリンパ液が増え、白く濁った乳び胸になります。
- ⑷ 胸腔の中で細菌が増えて、膿がたまっている。膿胸では発熱を伴い、排液は濁っていても中性脂肪が高くなるのは典型ではありません。
- ⑸ 心臓の働きが落ちて、水分が胸腔にしみ出ている。心不全の胸水は透明な漏出液で、白く濁ることはありません。
解説
胸の中を通るリンパの太い管が傷つき、脂肪を含むリンパ液が漏れ出ている乳び胸が最も考えられます。胸管は腸で吸収した脂肪を含むリンパ液を運ぶ管で、食道のすぐそばを通るため、食道の手術で傷つくことがあります。食事を始めると脂肪の多いリンパ液が増え、白く濁った中性脂肪の高い排液が大量に出ます。脂肪を控えた食事や絶食で量を減らし、改善しなければ胸管を縛る手術を行います。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。