ソクマル医師

83 歳の男性。自分の持ち物を盗られると訴えるようになり、対応に困った家族に連れ…

83 歳の男性。自分の持ち物を盗られると訴えるようになり、対応に困った家族に連れられ受診した。1 年前から物忘れが目立つようになった。次第に意欲が低下し、散歩に行かずに寝ていることが多くなった。2 か月前から金銭に対する執着が強くなり、預金通帳や印鑑をしまい忘れては誰かに盗まれたと訴えるようになった。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。脳神経、四肢の運動と感覚に異常を認めない。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18 点(30 点満点)。血液生化学所見に異常を認めない。頭部単純MRI のT 1 強調像(別冊No. 3A)と脳血流SPECT(別冊No. 3B)とを別に示す。治療薬はどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑵です。高齢者の緩徐に進行する記憶障害、意欲低下、物盗られ妄想があり、MMSEも18点と低下しています。典型的には頭部MRIで海馬・側頭葉内側の萎縮、脳血流SPECTで頭頂葉や後部帯状回・楔前部の血流低下を示し、Alzheimer型認知症と考えられます。治療にはコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルを用います。物盗られ妄想に対しては、まず非薬物的な対応や環境調整を優先します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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