①57 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。3 日前から咳嗽があり、昨日から発熱…
①57 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。3 日前から咳嗽があり、昨日から発熱、本日から呼吸困難が出現した。②同居家族にも発熱と咳嗽を認める。既往歴に特記すべきことはない。意識レベルはJCSⅠ-3。③体温38.2 ℃。脈拍104/分、整。血圧110/68mmHg。呼吸数28/分。④SpO2 90 %(room air)。口腔内と皮膚は乾燥している。⑤右胸部にcoarse crackles を聴取する。胸部エックス線写真で右中肺野に浸潤影を認めた。下線部のうち、意識レベルと口腔内・皮膚所見に加えて入院が必要と判断する要素はどれか。
- ⑴ ①57歳の男性で、A-DROPの年齢基準(男性70歳以上)には該当しません。
- ⑵ ②同居家族の症状は感染源の推定に役立ちますが、A-DROPの項目ではありません。
- ⑶ ③体温はA-DROPの評価項目に含まれていません。
- ⑷ ④SpO2 90%以下はA-DROPのRespirationに該当し、入院の判断要素となります。
- ⑸ ⑤聴診所見はA-DROPの評価項目に含まれていません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。市中肺炎の重症度判定には、日本呼吸器学会のA-DROPスコア(2025年時点)が用いられます。項目は、Age(男性70歳以上、女性75歳以上)、Dehydration(BUN 21 mg/dL以上または脱水あり)、Respiration(SpO2 90%以下またはPaO2 60 Torr以下)、Orientation(意識障害)、Pressure(収縮期血圧90 mmHg以下)です。本例は脱水(口腔内・皮膚の乾燥)、意識障害に加え、SpO2 90%が該当し、3項目で入院(重症)と判断されます。年齢57歳と血圧110は該当しないと判断します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成