1 歳の男児。灯油を誤飲したため救急車で搬入された。父親が石油ストーブの給油タン…
1 歳の男児。灯油を誤飲したため救急車で搬入された。父親が石油ストーブの給油タンクに灯油を入れる準備中に、灯油吸引用ポンプを舐めてしまった。一緒にいた父親が救急車を要請した。意識は清明。体温36.5 ℃。心拍数120/分、整。血圧90/50mmHg。呼吸数30/分。SpO2 98 %(room air)。口腔内から灯油臭がしている。呼吸音に異常を認めない。父親への説明で適切なのはどれか。
- ⑴ 「吐かせましょう」催吐は嘔吐時の誤嚥による化学性肺炎の危険を高めるため禁忌です。
- ⑵ 「胃洗浄をしましょう」胃洗浄も誤嚥の危険があり、灯油の誤飲では原則として行いません。
- ⑶ 「牛乳を飲ませましょう」牛乳は脂溶性物質の吸収を促すおそれがあり、勧められません。
- ⑷ 「人工呼吸管理にしましょう」呼吸状態は安定しており、現時点で人工呼吸管理は不要です。
- ⑸ 「入院して経過をみましょう」化学性肺炎は遅れて出現することがあるため、入院して経過をみるのが適切です。
解説
正解は⑸です。灯油などの石油製品は粘稠度が低く揮発性が高いため、少量でも誤嚥すると重篤な化学性肺炎を起こします。催吐させると嘔吐時に誤嚥する危険が高まるため禁忌で、胃洗浄も同様に誤嚥の危険があり原則として行いません。牛乳は脂溶性の物質の吸収を促すおそれがあり勧められません。現時点で呼吸状態は安定していますが、化学性肺炎は数時間後に出現することがあるため、入院して呼吸状態を経過観察し、必要に応じて胸部エックス線撮影を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成