10 か月の男児。発疹を主訴に両親に連れられて来院した。3 日前から38 ℃台の…
10 か月の男児。発疹を主訴に両親に連れられて来院した。3 日前から38 ℃台の発熱が持続し、本日解熱した直後に全身の発疹が出現したため受診した。発熱時には機嫌は良く、軽度の軟便があった。解熱後は不機嫌であった。身長68 cm、体重9 kg。体温36.5 ℃。脈拍112/分、整。血圧98/52mmHg。呼吸数30/分。SpO2 98 %(room air)。体幹部を中心に斑状の紅色丘疹を認める。全身状態は良好であり、眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭は軽度の発赤を認める。口唇の紅潮は認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。考えられる原因ウイルスはどれか。
- ⑴ 風疹ウイルス風疹は発熱と同時に発疹が出現し、耳後部リンパ節腫脹を伴います。
- ⑵ 麻疹ウイルス麻疹はカタル期の後、発熱が続く中で発疹が出現し、結膜充血を伴います。
- ⑶ パルボウイルスB19パルボウイルスB19は伝染性紅斑の原因で、頰の紅斑とレース状紅斑が特徴です。
- ⑷ ヒトヘルペスウイルス6乳児の高熱が3日ほど続き、解熱とともに発疹が出現する突発性発疹の原因ウイルスです。
- ⑸ Epstein-Barr〈EB〉ウイルスEBウイルスは伝染性単核球症の原因で、頸部リンパ節腫脹や肝脾腫を伴います。
解説
正解は⑷です。乳児が3日間の高熱の後、解熱とともに体幹を中心とする斑状丘疹性の発疹が出現しており、突発性発疹が考えられます。原因はヒトヘルペスウイルス6(HHV-6、一部はHHV-7)で、生後6か月から2歳頃に多く、発熱時も比較的機嫌がよく、軟便や大泉門膨隆を伴うことがあります。熱性けいれんを合併することもありますが、多くは自然に治癒します。風疹や麻疹では発熱と同時期または発熱中に発疹が出るため、解熱後の発疹は突発性発疹の特徴です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成