16 歳の男子。発熱と皮疹を主訴に来院した。幼少期からアトピー性皮膚炎で治療を受…
16 歳の男子。発熱と皮疹を主訴に来院した。幼少期からアトピー性皮膚炎で治療を受けていたが、3 か月前から治療を中断していた。2 日前から39.9 ℃の発熱があり、顔面に皮疹が出現し体幹にも拡大したため受診した。疼痛はない。顔面と体幹に小水疱、びらん及び紅斑を両側性に認めた。顔面の写真(別冊No. 26)を別に示す。原因で最も考えられるのはどれか。
- ⑴ サイトメガロウイルスサイトメガロウイルスは免疫不全者の網膜炎や肺炎などの原因で、アトピー性皮膚炎患者の水疱性皮疹の原因ではありません。
- ⑵ 単純ヘルペスウイルスアトピー性皮膚炎の病変部に単純ヘルペスウイルスが広範に感染するKaposi水痘様発疹症の原因です。
- ⑶ 水痘・帯状疱疹ウイルス水痘・帯状疱疹ウイルスは帯状疱疹(片側・神経支配領域・疼痛)や水痘の原因で、本例の分布や経過とは合いません。
- ⑷ ヒトヘルペスウイルス6ヒトヘルペスウイルス6は突発性発疹の原因で、乳幼児に解熱後の発疹を生じます。
- ⑸ Epstein-Barr〈EB〉ウイルスEBウイルスは伝染性単核球症の原因で、小水疱やびらんを主体とする皮疹は典型的ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。アトピー性皮膚炎の治療を中断していた若年者に、高熱とともに顔面から体幹に小水疱、びらん、紅斑が両側性に急速に拡大しており、Kaposi水痘様発疹症が考えられます。写真は本文から確認できませんが、中心臍窩を伴う小水疱が集簇するのが典型です。皮膚のバリア機能が低下した部位に単純ヘルペスウイルスが播種性に感染して起こり、アシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬を全身投与します。片側性でない点で帯状疱疹とは区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成