30 歳の経産婦(2 妊1 産)。妊娠20 週、妊婦健康診査のために来院した。妊…
30 歳の経産婦(2 妊1 産)。妊娠20 週、妊婦健康診査のために来院した。妊娠初期の経腟超音波像(別冊No. 18)を別に示す。妊娠17 週で2 児の羊水量に差を認めたため、それ以降週1 回の外来通院で経過観察されていた。胎児超音波検査で、第1 児に羊水過多と胎児水腫を認め、第2 児に羊水過少を認めた。この疾患の原因はどれか。
- ⑴ 骨髄骨髄は胎児の造血に関わりますが、双胎間輸血症候群の原因ではありません。
- ⑵ 臍帯臍帯は各児に1本ずつあり、病態の原因となる血管吻合は胎盤表面にあります。
- ⑶ 子宮子宮の形態は双胎間輸血症候群の原因にはなりません。
- ⑷ 胎盤一絨毛膜双胎で共有する胎盤内の血管吻合を介した血流の不均衡が原因です。
- ⑸ 羊膜二羊膜双胎で羊膜は分かれていますが、羊膜は血流の不均衡の原因ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。妊娠初期の超音波像は本文から確認できませんが、一絨毛膜二羊膜双胎で、一方の児に羊水過多と胎児水腫、他方に羊水過少を認めることから、双胎間輸血症候群が考えられます。原因は両児が共有する胎盤内の血管吻合で、一方の児(供血児)から他方の児(受血児)へ血液が一方向に流れて循環の不均衡が生じます。受血児は多尿で羊水過多と心不全を、供血児は乏尿で羊水過少をきたします。治療として胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成