38 歳の初産婦(1 妊0 産)。妊娠35 週5 日、2 時間前から痛みを伴う持…
38 歳の初産婦(1 妊0 産)。妊娠35 週5 日、2 時間前から痛みを伴う持続的な子宮収縮を自覚し、来院した。意識は清明。体温36.8 ℃。脈拍92/分、整。血圧148/92mmHg。呼吸数20/分。来院時の内診で子宮口は4 cm 開大、児頭下降度はSP-2 cm、腟鏡診で少量の出血を認めた。腹部超音波検査では胎児は頭位、推定体重2,100 g で胎盤の肥厚像を認めた。胎児心拍数陣痛図(別冊No. 29)を別に示す。適切な対応はどれか。
- ⑴ 吸引分娩吸引分娩は子宮口全開大で児頭が十分に下降していることが条件で、子宮口4 cmの本例では行えません。
- ⑵ 経過観察常位胎盤早期剥離は母児ともに急速に悪化するため、経過観察は不適切です。
- ⑶ 子宮収縮薬投与子宮収縮薬は胎児の状態を悪化させるおそれがあり、早期剥離が疑われる状況では使用しません。
- ⑷ 帝王切開常位胎盤早期剥離で経腟分娩が直ちに見込めないため、緊急帝王切開で娩出します。
- ⑸ ベタメタゾン投与ベタメタゾンは胎児肺成熟のために投与しますが、早期剥離で急速遂娩が必要な状況では待機できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。妊娠高血圧を背景に、痛みを伴う持続的な子宮収縮、少量の性器出血、超音波での胎盤肥厚像を認めることから、常位胎盤早期剥離が考えられます。胎児心拍数陣痛図は本文から確認できませんが、遅発一過性徐脈や基線細変動の減少など胎児機能不全の所見が想定されます。子宮口4 cmで児頭も高く、すぐに経腟分娩とはならないため、母体のDICにも注意しながら緊急帝王切開で児を娩出します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成