78 歳の男性。頸部リンパ節腫大を主訴に来院した。頸部リンパ節生検の結果、びまん…
78 歳の男性。頸部リンパ節腫大を主訴に来院した。頸部リンパ節生検の結果、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫と診断された。血液所見:赤血球470 万、Hb 14.1 g/dL、Ht 44 %、白血球6,800(分葉核好中球52 %、好酸球1 %、好塩基球0 %、単球6 %、リンパ球41 %)、血小板27 万。血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、アルブミン3.8 g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、直接ビリルビン0.2 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 16 U/L、LD 243 U/L(基準124~222)。免疫血清学的所見:CRP 0.8 mg/dL、HBs 抗原 陰性、HBc 抗体 陽性、HBs 抗体 陽性、HCV 抗体陰性。リンパ腫の治療前に追加して測定すべき検査項目はどれか。
- ⑴ HBc 抗原HBc抗原は肝細胞内に存在し、血中で測定する検査項目ではありません。
- ⑵ HBe 抗原HBe抗原はHBs抗原陽性者のウイルス増殖の指標で、既往感染者の再活性化リスク評価には用いません。
- ⑶ HBe 抗体HBe抗体も既往感染者の再活性化リスク評価には役立ちません。評価にはHBV-DNA定量を用います。
- ⑷ HBV-DNA 定量既往感染者ではHBV-DNA定量で再活性化のリスクを評価し、核酸アナログ予防投与の要否を判断します。
- ⑸ HCV-RNA 定量HCV抗体陰性であり、HCV-RNA定量を追加する必要はありません。
解説
正解は⑷です。HBs抗原陰性でもHBc抗体またはHBs抗体が陽性の場合は、B型肝炎ウイルスの既往感染者であり、肝細胞内にウイルスが潜伏しています。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するリツキシマブ併用化学療法では、HBVの再活性化による重症肝炎(de novo肝炎)が起こりうるため、日本肝臓学会のガイドライン(2025年時点)に沿って治療前にHBV-DNA定量を測定し、陽性なら核酸アナログを予防投与し、陰性なら定期的にモニタリングします。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成