75 歳の男性。嘔吐を主訴に来院した。3 日前から排便と排ガスがなく、徐々に腹部…
75 歳の男性。嘔吐を主訴に来院した。3 日前から排便と排ガスがなく、徐々に腹部膨満感が出現してきた。今朝から水分もとれず、便臭を伴う嘔吐をしたため救急外来を受診した。意識は清明。体温36.9 ℃。脈拍112/分、整。血圧150/80mmHg。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。腹部膨満を認める。腹部全体に圧痛は認めるが、反跳痛や筋性防御は認めない。血液所見:赤血球320 万、Hb 9.0 g/dL、Ht 30 %、白血球9,800、血小板25 万。血液生化学所見:アルブミン2.9 g/dL、AST 25 U/L、ALT 15 U/L、尿素窒素25 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL。CRP 3.5 mg/dL。腹部エックス線写真(別冊No. 11)を別に示す。次に行うのはどれか。
- ⑴ FDG-PETFDG-PETは癌の病期診断などに用いますが、腸閉塞の緊急評価として最初に行う検査ではありません。
- ⑵ 腹部MRI腹部MRIは撮像に時間がかかり、腸閉塞の緊急評価には適しません。
- ⑶ 腹部造影CT閉塞部位・原因・血流障害の有無を迅速に評価でき、腸閉塞で次に行うべき検査です。
- ⑷ 上部消化管内視鏡検査腸閉塞の原因は下部消化管が疑われ、上部消化管内視鏡は優先されません。
- ⑸ 下部消化管内視鏡検査閉塞の評価をせずに前処置や送気を伴う大腸内視鏡を行うと穿孔などの危険があり、まず造影CTを行います。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢者が排便・排ガスの停止、腹部膨満、便臭のある嘔吐を呈し、貧血と低アルブミン血症も伴うことから、大腸癌などによる腸閉塞が疑われます。腹部エックス線写真は本文から確認できませんが、拡張した腸管と鏡面像が想定されます。次に行うのは腹部造影CTで、閉塞部位と原因、腸管虚血(絞扼)の有無、穿孔や転移の評価を一度に行えます。結果に応じて減圧(経肛門イレウス管や大腸ステント)や手術を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成