23 歳の男性。腹痛を主訴に来院した。2 日前に上腹部痛を自覚した。本日、明け方…
23 歳の男性。腹痛を主訴に来院した。2 日前に上腹部痛を自覚した。本日、明け方から痛みが右下腹部に移動し、悪心を伴うため自宅近くの診療所を受診した。2 日間排便がない。臍周囲から右下腹部が痛み、咳で右下腹部に痛みが響くようになったという。尿の異常は自覚していない。意識は清明。体温37.6 ℃。脈拍88/分、整。血圧108/70mmHg。呼吸数16/分。この患者の腹部診察で正しいのはどれか。
- ⑴ 直腸指診を行う。Douglas窩の圧痛など骨盤内の炎症を評価でき、虫垂炎の診察として正しいです。
- ⑵ 聴診の前に打診を行う。打診や触診で腸蠕動が変化するため、聴診を先に行います。
- ⑶ 腸蠕動音の聴取は5 秒間行う。腸蠕動音は少なくとも1分程度聴取しないと評価できません。
- ⑷ 痛みを訴える部位から触診する。痛みのない部位から触診し、痛む部位は最後に診察します。
- ⑸ 腸蠕動音の聴取は5 か所以上で行う。腸蠕動音は腹部全体に伝わるため、1か所で十分に聴取すれば評価できます。
解説
正解は⑴です。上腹部痛から右下腹部への痛みの移動、悪心、微熱、咳で右下腹部に響く痛みから、急性虫垂炎が疑われます。虫垂炎では直腸指診で右側のDouglas窩の圧痛を確認でき、骨盤内に位置する虫垂の炎症や膿瘍の評価に有用です。腹部診察は視診、聴診、打診、触診の順で行い、聴診は触診による腸蠕動の変化を避けるため先に行います。腸蠕動音は1か所で1分程度聴取し、触診は痛みのない部位から始めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成