19歳の男性。前日の夜からみぞおちの痛みが始まり、今朝から右下腹部に移って強くな…
19歳の男性。前日の夜からみぞおちの痛みが始まり、今朝から右下腹部に移って強くなったため受診した。体温37.8℃。この患者の腹部の診察で、炎症が腹膜に及んでいることを示す所見はどれか。
- ⑴ 右下腹部をゆっくり押してから急に手を離すと、痛みが強くなる。押した手を急に離した時に痛みが強まる反跳痛は、腹膜に炎症が及んだことを示す腹膜刺激症状です。
- ⑵ 背中の肋骨と背骨が交わる部分を軽くたたくと、響く痛みがある。肋骨脊柱角の叩打痛は腎盂腎炎や尿管結石など、腎臓の周りの病変で見られる所見です。
- ⑶ 腹部全体で金属をたたくような高い腸の音が繰り返し聞こえる。金属音は機械的な腸閉塞で腸の内容が通過しにくい時の所見で、腹膜への炎症の波及を示すものではありません。
- ⑷ へその周りの皮膚に、放射状に広がる太い静脈が浮き出ている。へその周りの静脈の怒張は門脈圧が高まった時の所見で、腹膜の炎症とは関係のない別の病態を示します。
- ⑸ 右の肋骨の下を押さえて深く息を吸わせると、途中で息が止まる。この所見は胆嚢の炎症で見られるもので、右下腹部の腹膜の炎症を示すものではありません。
解説
押した手を急に離すと痛みが強くなる反跳痛が、腹膜に炎症が及んだことを示す所見です。心窩部から右下腹部へ移る痛みと発熱は急性虫垂炎に典型的で、炎症が腹膜に広がると、反跳痛や筋性防御などの腹膜刺激症状が現れます。金属音は腸閉塞、深吸気で息が止まる所見は胆嚢炎、肋骨脊柱角の叩打痛は腎臓の病変、へその周りの静脈の怒張は門脈圧亢進症の所見です。
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