64 歳の男性。夜間の盗汗、微熱および持続する咳嗽を主訴に来院した。4 年前から…
64 歳の男性。夜間の盗汗、微熱および持続する咳嗽を主訴に来院した。4 年前から関節リウマチで疾患修飾性抗リウマチ薬〈DMARD〉及び生物学的製剤で治療中である。1 か月前から夜間の盗汗、微熱および咳嗽が出現した。症状が持続するため自宅近くの診療所を受診した。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で右上肺野に空洞陰影を認めた。この患者で空気感染予防策の必要性を判断する検査はどれか。
- ⑴ 喀痰抗酸菌染色喀痰塗抹で排菌量を速やかに評価でき、空気感染予防策の要否判断に用います。
- ⑵ 喀痰抗酸菌培養確定診断や薬剤感受性に重要ですが、結果判明まで数週間かかります。
- ⑶ ツベルクリン反応結核感染の有無の参考にはなりますが、排菌の有無は判断できません。
- ⑷ 気管支肺胞洗浄〈BAL〉培養侵襲的な検査で、空気感染予防策の判断のためにまず行う検査ではありません。
- ⑸ 結核菌特異的全血インターフェロンガンマ遊離測定法〈IGRA〉潜在性結核感染の診断に用いますが、排菌や感染性は判断できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。生物学的製剤で治療中の関節リウマチ患者に、盗汗、微熱、咳嗽が持続し、右上肺野に空洞影を認めることから肺結核が疑われます。空気感染予防策(陰圧個室・N95マスク)の必要性は、排菌の有無、すなわち喀痰の抗酸菌塗抹検査で判断します。塗抹陽性は感染性が高いことを示します。培養は結果判明まで数週間かかり、ツベルクリン反応やIGRAは感染の有無を示しますが、排菌や活動性の判断には使えません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成