36 歳の男性。咽頭痛を主訴に来院した。14 日前から39~40 ℃の発熱と咽頭…
36 歳の男性。咽頭痛を主訴に来院した。14 日前から39~40 ℃の発熱と咽頭痛があり、7 日前に自宅近くの医療機関を受診した。インフルエンザウイルス迅速抗原検査と新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉抗原定性検査は陰性であり、抗菌薬の内服を開始したが、症状が改善しないため再度受診した。体温38.3 ℃。脈拍104/分、整。血圧124/82mmHg。呼吸数18/分。咽頭発赤と扁桃白苔を認める。両側後頸部に径2 cm のリンパ節を2 個、径1 cm のリンパ節を3 個触知する。右肋骨弓下に肝を2 cm、左肋骨弓下に脾を1 cm 触知する。血液所見:赤血球502万、Hb 14.9 g/dL、Ht43%、白血球14,000(桿状核好中球3 %、分葉核好中球20 %、単球3 %、リンパ球57 %、異型リンパ球17 %)、血小板21 万。血液生化学所見:総蛋白7.5 g/dL、アルブミン4.2 g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、AST280 U/L、ALT 320 U/L、LD477U/L(基準124~222)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.6 mg/dL。CRP8.3mg/dL。考えられる原因はどれか。3 つ選べ。
- ⑴ ライノウイルス普通感冒の原因で、肝脾腫や異型リンパ球増加を伴う病像はきたしません。
- ⑵ サイトメガロウイルス初感染で伝染性単核球症様の症状を呈する代表的なウイルスです。
- ⑶ 水痘・帯状疱疹ウイルス水疱性発疹が主症状で、伝染性単核球症様症候群の原因としては典型的ではありません。
- ⑷ Epstein-Barr〈EB〉ウイルス伝染性単核球症の最も代表的な原因ウイルスです。
- ⑸ ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉急性HIV感染症で、発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹など伝染性単核球症様の症状を呈します。
解説
正解は⑵と⑷と⑸です。長く続く発熱、咽頭痛と扁桃白苔、後頸部リンパ節腫脹、肝脾腫、異型リンパ球の増加、肝機能障害を認め、伝染性単核球症様症候群と考えられます。原因として代表的なのはEBウイルスで、サイトメガロウイルスの初感染や、HIVの急性感染(急性レトロウイルス症候群)でも同様の病像を呈します。抗菌薬で改善しないことも合致します。ライノウイルスは普通感冒、水痘・帯状疱疹ウイルスは水疱性皮疹が主体です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成