19 歳の男性。白血球増多の精査を目的に来院した。1 週間前に発熱と咽頭痛が出現…
19 歳の男性。白血球増多の精査を目的に来院した。1 週間前に発熱と咽頭痛が出現し自宅近くの診療所を受診した際、白血球増多を指摘されたため紹介受診した。体温37.8 ℃。脈拍92/分、整。血圧118/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。両側扁桃の発赤と腫大があり、表面に白苔を認める。両側頸部に径2 cm の圧痛を伴うリンパ節を複数触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肋骨弓下に肝を2 cm 触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球493 万、Hb 14.3 g/dL、Ht 44 %、白血球26,000(桿状核好中球1 %、分葉核好中球7 %、好酸球0 %、好塩基球0 %、単球2 %、リンパ球75 %、異型リンパ球15 %)、血小板18 万。血液生化学所見:総ビリルビン1.3 mg/dL、直接ビリルビン0.7 mg/dL、AST 202 U/L、ALT 268 U/L、LD 637 U/L(基準124~222)、ALP 306 U/L(基準38~113)、クレアチニン0.9 mg/dL、尿酸7.1 mg/dL。CRP0.9 mg/dL。この患者への対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 経過観察自然軽快する疾患で、対症療法と安静による経過観察が適切です。
- ⑵ 血漿交換重篤な合併症がなく、血漿交換の適応はありません。
- ⑶ アシクロビル投与伝染性単核球症に対するアシクロビルの有効性は確立していません。
- ⑷ アンピシリン投与高率に薬疹を起こすため、伝染性単核球症では禁忌です。
- ⑸ 殺細胞性抗癌薬投与異型リンパ球は反応性で悪性腫瘍ではなく、抗癌薬の適応はありません。
解説
正解は⑴です。若年男性の発熱、咽頭痛、白苔を伴う扁桃炎、圧痛を伴う頸部リンパ節腫脹、肝腫大、リンパ球と異型リンパ球の増加、肝機能障害から、EBウイルスによる伝染性単核球症と考えられます。多くは自然軽快するため、安静と対症療法による経過観察が基本です。脾腫に伴う脾破裂の予防のため、激しい運動は避けます。アンピシリンなどのペニシリン系抗菌薬は高率に薬疹を誘発するため禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成