76 歳の男性。発熱と右季肋部痛とを主訴に来院した。昨日から右季肋部痛が出現し、…
76 歳の男性。発熱と右季肋部痛とを主訴に来院した。昨日から右季肋部痛が出現し、今朝まで持続している。体温38.1 ℃。脈拍128/分、整。血圧124/86mmHg。呼吸数18/分。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、右季肋部に圧痛を認める。血液所見:白血球17,600。血液生化学所見:総ビリルビン6.9mg/dL、直接ビリルビン4.2 mg/dL、AST 371 U/L、ALT 297 U/L、ALP 231U/L(基準38~113)、γ-GT 237 U/L(基準13~64)、アミラーゼ52 U/L(基準44~132)。CRP 16mg/dL。腹部超音波検査で胆囊壁に異常を認めない。腹部単純CT(別冊No. 30)を別に示す。適切な対応はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 抗菌薬投与急性胆管炎では速やかに抗菌薬を投与します。
- ⑵ 経口胆石溶解薬投与効果発現に長期間を要し、急性胆管炎の治療にはなりません。
- ⑶ 膵頭十二指腸切除術膵頭部や胆管下部の悪性腫瘍に対する手術で、本例では過大な侵襲です。
- ⑷ 内視鏡的胆道ドレナージ胆道を減圧する根本的治療で、急性胆管炎に適切です。
- ⑸ 蛋白分解酵素阻害薬投与急性膵炎の治療に用いられる薬で、アミラーゼ正常の本例では不要です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑷です。発熱、右季肋部痛、黄疸(Charcotの三徴)に加え、胆道系酵素の上昇と炎症反応の上昇を認め、CTでは総胆管結石が示されていると考えられ、急性胆管炎と診断されます。治療は抗菌薬の投与と、内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD・ENBD)による胆道減圧が基本で、全身状態の安定後に内視鏡的乳頭切開術による結石除去を行います。経口胆石溶解薬は急性胆管炎の治療にはならず、膵頭十二指腸切除術は悪性腫瘍に対する手術です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成