74歳の女性。動悸を訴えて受診し、心電図で心房細動と診断された。高血圧と糖尿病で…
74歳の女性。動悸を訴えて受診し、心電図で心房細動と診断された。高血圧と糖尿病で治療中である。心臓の弁に異常はない。医師が、心房細動そのものの治療とは別に、抗凝固薬の内服を勧めた。この薬を勧める主な理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 高い血圧を下げて、心臓にかかる負担を軽くするため抗凝固薬は血液を固まりにくくする薬で、血圧を下げる作用はありません。
- ⑵ 心臓の筋肉の収縮力を強めて、心不全の悪化を防ぐため抗凝固薬には心臓の収縮力を強める作用はありません。
- ⑶ 心房の細かい震えそのものを止めて、規則正しい脈に戻すため心房の震えを止める治療は抗不整脈薬や電気的な除細動で、抗凝固薬は脈を整える薬ではありません。
- ⑷ 心房内でよどんだ血液から血栓ができ、それが脳の血管に詰まるのを防ぐため心房細動では心房が規則正しく収縮しないため血液がよどみ、心房内にできた血栓が脳に流れると脳梗塞を起こします。抗凝固薬はこれを防ぎます。
- ⑸ 糖尿病による血管の動脈硬化を、溶かして元に戻すため抗凝固薬は動脈硬化を元に戻す薬ではなく、血栓の形成を防ぐ薬です。
解説
最も適切なのは、心房の中で血液がよどんで血栓ができやすく、それが脳の血管に流れて詰まるのを防ぐためという理由です。心房細動では心房が細かく震えるだけで有効な収縮がないため、心房、特に左心耳で血液がよどんで血栓ができます。この血栓がはがれて脳の動脈に詰まると、重い脳梗塞を起こします。高齢、高血圧、糖尿病などの危険因子が重なるほど脳梗塞の危険が高まるため、抗凝固薬で予防します。
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