70歳の男性。3日前から咳と痰、38.5℃の発熱が続いている。研修医が胸部を診察…
70歳の男性。3日前から咳と痰、38.5℃の発熱が続いている。研修医が胸部を診察すると、右の背部の下の方で、手のひらに伝わる声の振動が左より強く、同じ部位で気管の上で聞くような大きな呼吸音と、吸気の終わりに細かい断続音が聞こえる。打診ではにぶい音がする。この所見が生じる仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 肺の表面の袋が破れて胸の中に空気がたまり、肺がしぼんだ気胸では打診でよく響く音になり、声の振動や呼吸音は弱まります。
- ⑵ 肺と胸壁の間に水がたまり、肺の音や振動が胸壁まで伝わりにくくなった胸水では声の振動や呼吸音が弱まります。この男性では振動が強まっており、胸水とは合いません。
- ⑶ 肺が過剰にふくらんで空気が多くなり、胸の音がよく響くようになった肺が過剰にふくらむと打診でよく響く音になり、にぶい音にはなりません。
- ⑷ 気管支が細くなり、息を吐くときに笛のような高い音が出ている気管支の狭窄による音は呼気の連続音で、声の振動が強まる所見とは異なります。
- ⑸ 肺胞に炎症の液がたまって肺が硬くなり、音や振動が胸壁まで伝わりやすくなった肺炎で肺胞が液で満たされると、肺は空気の少ない硬い組織になり、声の振動や気管の呼吸音が胸壁まで伝わりやすくなります。
解説
最も適切なのは、肺胞に炎症の液がたまって肺が硬くなり、音や振動が胸壁まで伝わりやすくなったという仕組みです。肺炎で肺胞が滲出液で満たされると、その部分は空気の少ない硬い組織になります。硬い組織は空気より音や振動をよく伝えるため、声の振動が強まり、気管の上で聞こえるような呼吸音が胸壁で聞こえ、打診ではにぶい音になります。胸水でも打診はにぶくなりますが、声の振動と呼吸音は弱まる点で区別できます。
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