72歳の女性。5年前に大腸の開腹手術を受けた。昨日から腹痛と嘔吐をくり返し、排便…
72歳の女性。5年前に大腸の開腹手術を受けた。昨日から腹痛と嘔吐をくり返し、排便とおならが止まっている。腹部は全体にふくらんでいる。聴診で、腸の動く音が高く響き、金属をたたいたような音が聞こえる。この腸の音が生じる仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腸が詰まった手前で腸が強く動き、たまったガスと液体が押されて高い音になる機械的な腸閉塞では、詰まった手前の腸が内容物を送ろうと強く動き、ガスと液体が混ざって金属的な高い音が聞こえます。
- ⑵ 胃の中に食べ物が残り、胃の壁が食べ物をこねる音が大きく聞こえている胃の動きの音ではなく、詰まった腸が強く動くことで生じる音です。
- ⑶ 腹部の大動脈の壁がふくらんで血液の流れが乱れ、拍動に合わせた雑音が聞こえる血管の雑音は拍動に合わせた音で、腸の動きによる音とは性質が異なります。
- ⑷ 腹腔内に水がたまり、腸が水に浮いて音が伝わりにくくなっている腹水では腸の音は遠く聞こえることがあり、高い金属的な音の仕組みではありません。
- ⑸ 腸の動きが止まってしまい、腸の中のガスが動かずに静かになっている腸の動きが止まると腸の音は弱くなるか聞こえなくなり、高い金属的な音にはなりません。
解説
最も適切なのは、腸が詰まった手前で腸が強く動き、たまったガスと液体が押されて高い音になるという仕組みです。この女性は開腹手術の既往があり、腸の癒着による腸閉塞が考えられます。詰まった手前の腸は内容物を送り出そうと強く収縮し、拡張した腸の中でガスと液体が動いて、高く響く金属的な音が聞こえます。逆に腸の動きが止まる麻痺性の状態や、時間がたって腸の血流が悪くなった状態では、腸の音は弱まります。
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