89歳の女性。要介護4で、施設に入所している。軽い認知症があり、食事量は少ない。…
89歳の女性。要介護4で、施設に入所している。軽い認知症があり、食事量は少ない。健康診断で血清LDLコレステロールの高値を指摘された。研修医が「診療ガイドラインで薬物治療が勧められているので、すぐに薬を始めます」と述べた。指導医の助言として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 施設の看護師に、薬を始めるかどうかの判断を任せるよう伝える薬物治療を始めるかの判断は医師が行うもので、看護師に任せる内容ではありません。
- ⑵ 推奨は参考にとどめ、全身の状態と本人や家族の希望を合わせて治療を決めるよう伝えるガイドラインは平均的な患者を想定した推奨です。個々の患者の状態や価値観を合わせて判断することが、根拠に基づく医療の考え方です。
- ⑶ 高齢者には薬の副作用が多いので、コレステロールの値は今後測らないよう伝える状態を把握するための検査まで一律にやめる理由はありません。
- ⑷ 推奨の強さに関係なく、最も新しく発表された1本の論文の結果を優先して治療を決めるよう伝える1本の新しい論文は、多数の研究を検討した推奨より根拠が弱いことがあります。
- ⑸ ガイドラインは法的な基準なので、推奨のとおりに薬を始めないと過失になると伝える診療ガイドラインは診療を助ける目安で、従わなければ直ちに違法になるような法的な基準ではありません。
解説
最も適切なのは、ガイドラインの推奨を参考にしつつ、全身の状態と本人や家族の希望を合わせて治療を決めるよう伝えることです。根拠に基づく医療は、研究の根拠、医師の経験、患者の価値観と状況を組み合わせて判断する考え方です。診療ガイドラインは平均的な患者を想定した推奨であり、高齢で要介護度が高く食事量も少ない患者にそのまま当てはまるとは限りません。法的な基準として扱うことも、判断を他職種に任せることも不適切です。
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