74歳の男性。健康診断で前立腺特異抗原がわずかに高く、精密検査で前立腺癌と診断さ…
74歳の男性。健康診断で前立腺特異抗原がわずかに高く、精密検査で前立腺癌と診断された。癌は前立腺の中にとどまり、組織の悪性度は低く、転移はない。持病の心臓病で手術の危険がやや高い。男性は「できれば治療の負担は避けたい」と話している。治療方針として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 両側の精巣を直ちに摘出して、男性ホルモンを完全に止める。限局した低リスクの癌に、直ちに去勢を行う必要はありません。
- ⑵ 転移がなくても、抗癌薬の点滴を直ちに始めて半年続ける。限局した低リスクの前立腺癌に、抗癌薬の点滴は行いません。
- ⑶ すぐには治療せず、定期的な検査で経過を見て、進行時に治療する。悪性度の低い限局した前立腺癌では、監視療法を選ぶことで、不要な治療による負担を避けられます。
- ⑷ 前立腺癌は進行が速いので、今後の検査はせずに緩和ケアに切り替える。低リスクの前立腺癌は進行が遅いことが多く、経過を見ながら必要時に治療できます。
- ⑸ 悪性度にかかわらず、直ちに前立腺を全摘出する手術を行う。悪性度が低く手術の危険の高い高齢者では、直ちに手術を行う利益は小さいことが多いです。
解説
すぐに治療はせず、定期的に検査を行って進行の兆しが出たときに治療を始める監視療法が適切です。前立腺癌の中には進行が非常に遅く、生涯にわたって命に関わらないものも多くあります。悪性度が低く前立腺に限局した癌では、前立腺特異抗原の測定や生検を定期的に行い、進行の兆しがあれば手術や放射線治療を行います。不要な治療による尿失禁や性機能の障害などを避けられ、本人の希望や持病にも合います。
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