56歳の女性。不整脈の既往はない。気管支炎で処方された抗菌薬を飲み始めて3日後、…
56歳の女性。不整脈の既往はない。気管支炎で処方された抗菌薬を飲み始めて3日後、急に気が遠くなって倒れた。下痢が続いていた。来院時の心電図でQT間隔が著しく延長しており、血清カリウムは2.8 mEq/Lであった。QT間隔を延長させ、この女性の失神の原因となった可能性が高いものはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 高カルシウム血症高カルシウム血症ではQT間隔はむしろ短くなります。
- ⑵ 甲状腺機能亢進症甲状腺機能亢進症は頻脈や心房細動の原因になりますが、QT延長の代表的な原因ではありません。
- ⑶ ジギタリスの内服ジギタリスはQT間隔を短くする方向に働く薬です。
- ⑷ 下痢による低カリウム血症低カリウム血症は心筋の再分極を遅らせ、QT間隔を延長させて多形性の心室頻拍を起こしやすくします。
- ⑸ マクロライド系の抗菌薬の内服マクロライド系の抗菌薬はQT延長を起こす薬の代表で、低カリウム血症と重なると危険が高まります。
解説
QT延長と失神の原因として可能性が高いのは、下痢による低カリウム血症と、マクロライド系の抗菌薬の内服です。QT間隔の延長は、心室の再分極が遅れていることを示し、多形性の心室頻拍(トルサード・ド・ポワント)から失神や突然死を起こすことがあります。生まれつきの原因のほか、低カリウム血症や低マグネシウム血症、一部の抗菌薬、抗不整脈薬、抗精神病薬などが原因となり、複数が重なると危険が高まります。
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