76歳の女性。慢性心不全で利尿薬などを内服し、病状は1年間安定していた。2週前に…
76歳の女性。慢性心不全で利尿薬などを内服し、病状は1年間安定していた。2週前に腰痛のため近くの診療所で鎮痛薬を処方されて飲み始めた。この1週間で体重が3 kg増え、足のむくみと息切れが強くなった。食事や服薬の内容はほかに変わっていない。心不全が悪化した原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 腰痛で動かなくなったため、筋肉が落ちて体重が増えた。筋肉が落ちれば体重は減ります。急な体重増加とむくみは水分の貯留を示します。
- ⑵ 鎮痛薬が利尿薬の作用を強めすぎて、脱水になった。体重が増えてむくみが強くなっており、脱水ではなく水分の過剰です。
- ⑶ 季節の変わり目で気温が上がり、汗とともに水分が失われた。水分が失われたのであれば体重は減り、むくみは強くなりません。
- ⑷ 鎮痛薬で腎臓からのナトリウムの排泄が減った。非ステロイド性抗炎症薬は腎臓のプロスタグランジンを抑えてナトリウムと水を体にためやすくし、利尿薬の効果も弱めます。
- ⑸ 腰痛の痛みのせいで、心臓の弁が急に壊れた。痛みによって心臓の弁が急に壊れることはありません。
解説
非ステロイド性抗炎症薬で、腎臓からのナトリウムと水の排泄が減ったことが最も考えられます。この薬は腎臓でのプロスタグランジンの産生を抑え、腎血流を減らしてナトリウムと水を体にためやすくするうえ、利尿薬の効果も弱めます。その結果、体液が増えて心不全が悪化します。心不全の悪化の原因には、塩分や水分のとりすぎ、服薬の中断、感染、不整脈、このような薬の影響があり、それぞれを確かめることが大切です。
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