32歳の男性。乗用車の運転中に正面衝突し、ハンドルで腹部を強く打った。呼吸が苦し…
32歳の男性。乗用車の運転中に正面衝突し、ハンドルで腹部を強く打った。呼吸が苦しく、左の胸で呼吸音が弱く、代わりに腸の動く音が聞こえる。胸部エックス線写真で、左の胸の下半分に、腸管のガスの像と、胃に入れた管の先端が見える。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 肋骨が複数折れて、胸壁の一部が呼吸と逆に動いている。胸壁の動揺では胸に腸の音や腸管ガスの像は現れません。
- ⑵ 胸の中の太い血管が傷ついて、胸腔に血液がたまった。血胸では胸の下が一様に白く写り、腸管ガスの像は見えません。
- ⑶ 肺の表面が破れて、胸腔に空気がたまった気胸を起こした。気胸では胸に腸の音が聞こえたり、胃管の先端が胸に見えたりすることはありません。
- ⑷ 胃管が誤って気管に入り、左の気管支の中にある。腸管ガスの像と腸の音を伴っており、胃そのものが胸に入っていると考えます。
- ⑸ 左の横隔膜が裂け、腹部の臓器が胸に入り込んだ。外傷性横隔膜破裂は左側に多く、胃や腸が胸腔に脱出して、胸に腸管ガスや胃管の先端が見えます。
解説
強い腹圧で左の横隔膜が裂け、腹部の臓器が胸の中に入り込んだ外傷性横隔膜破裂が最も考えられます。腹部を強く打つと腹腔内の圧が急に上がり、横隔膜が裂けることがあります。右側は肝臓が守るため、左側に多く起こります。胃や腸、脾臓が胸腔に入り込むと、肺が圧迫されて呼吸が苦しくなり、胸で腸の音が聞こえたり、画像で胸に腸管ガスや胃管の先端が見えたりします。手術で臓器を戻して横隔膜を修復します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。