62歳の男性。半年前から坂道を上ると胸が締めつけられ、休むと数分で治まっていた。…
62歳の男性。半年前から坂道を上ると胸が締めつけられ、休むと数分で治まっていた。この1週間で、少し歩いただけでも胸痛が出るようになり、昨夜は寝ているときにも15分ほど胸痛が続いた。来院時は胸痛がなく、心電図と心筋トロポニンは正常である。対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 来院時に胸痛がなく検査も正常なので、帰宅させて1か月後に再診する。検査が正常でも、症状の悪化と安静時の胸痛は心筋梗塞の前触れとなる危険な状態です。
- ⑵ 不安定になった病変と考え、入院させて冠動脈を評価する。症状が急に悪化し安静時にも起こるのは不安定狭心症で、心筋梗塞に進む危険が高いため入院で管理します。
- ⑶ 胸痛は胃の病気によるものと考え、胃薬を処方する。典型的な労作時の胸痛の悪化で、心臓の病気を優先して考えます。
- ⑷ 胸痛を起こさないよう運動を勧め、体を鍛えて発作を減らす。不安定な状態での運動は心筋梗塞を誘発する危険があります。
- ⑸ 予防のため、強い鎮痛薬を毎日飲み続けるよう指導する。鎮痛薬で痛みを隠しても冠動脈の病変は改善せず、診断を遅らせます。
解説
冠動脈の病変が不安定になっていると考え、入院させて治療と冠動脈の評価を進めるのが最も適切です。安定していた労作性狭心症の発作が、短い期間に軽い労作でも起こるようになり、安静時にも出るようになった状態を不安定狭心症といい、心筋梗塞と同じく急性冠症候群に含まれます。来院時に心電図や心筋トロポニンが正常でも、冠動脈のプラークが不安定になっていると考え、抗血小板薬などで治療し、冠動脈造影で評価します。
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