74歳の男性。高血圧で治療中で、1日20本の喫煙を50年間続けている。健康診断の…
74歳の男性。高血圧で治療中で、1日20本の喫煙を50年間続けている。健康診断のついでに腹部を診察すると、へその少し上で、拍動に合わせて上下だけでなく左右にも広がるように動く、幅5 cmほどの腫瘤を触れた。腹痛はない。この所見から最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 肝臓が大きく腫れて、右の肋骨の下から触れている。肝臓は右の肋骨の下で触れ、横に広がる拍動はありません。
- ⑵ 腹部の大動脈の壁が弱くなり、こぶのようにふくらんでいる。高齢の喫煙者で、へその近くに横にも広がる拍動性の腫瘤を触れるのは腹部大動脈瘤を示します。
- ⑶ 腹壁の筋肉の弱いところから、腸が押し出されている。腹壁のヘルニアは立位や腹圧で出て、拍動はありません。
- ⑷ 胃の中に食べ物がたまり、上腹部がふくらんでいる。胃の内容物は拍動しません。腫瘤の拍動は血管のふくらみを示します。
- ⑸ 腸の中に便がたまり、硬いかたまりとして触れている。便の塊は左下腹部などに触れ、拍動はありません。
解説
腹部の大動脈の壁が弱くなり、こぶのようにふくらんだ腹部大動脈瘤が最も考えられます。やせた人では正常の大動脈の拍動を触れることもありますが、その動きは上下だけです。瘤になると、拍動に合わせて左右にも広がるように動きます。高齢、男性、喫煙、高血圧は危険因子です。多くは無症状で偶然見つかり、超音波やCTで大きさを測って、破裂の危険に応じて治療を決めます。
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