32歳の女性。3週前に第1子を出産した。2週前から気分が沈み、夜は赤ちゃんが寝て…
32歳の女性。3週前に第1子を出産した。2週前から気分が沈み、夜は赤ちゃんが寝ていても眠れない。「赤ちゃんをかわいいと思えない。母親失格だ」と涙ぐみ、家事も手につかない。夫は「出産のあとはみんなそうなるものだろう」と話している。対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 育児の負担を減らすため、まず赤ちゃんを乳児院に預ける手続きを進める。本人の状態を評価しないまま母子を離す提案は、自責感を強めるおそれがあります。
- ⑵ 出産後のうつ病を疑い、死にたい気持ちの有無を含めて気分の状態を詳しく尋ねる。2週以上続く抑うつと自責感は産後うつ病を疑う所見です。自殺の危険や育児の状況を確かめることが欠かせません。
- ⑶ 母乳の分泌を保つため、気分の症状が自然に治るまで治療は控えるよう伝える。治療を控えると母親と子どもの双方に不利益が大きくなります。授乳と両立できる治療を検討します。
- ⑷ 甲状腺や貧血の検査が正常であれば、気分の症状は性格によるものと説明する。身体の検査で異常がなくても、うつ病は性格の問題ではありません。適切な治療が必要です。
- ⑸ 出産後に一時的に涙もろくなる変化なので、夫の言うとおり心配はないと伝える。出産後数日で起こり2週ほどで消える一過性の気分の変化とは異なり、本例は症状が長く強く続いています。
解説
出産後のうつ病を疑い、死にたい気持ちの有無を含めて気分の状態を詳しく尋ねるのが最も適切です。出産後数日に起こって2週ほどで消える一時的な涙もろさとは異なり、2週以上続く抑うつ、不眠、自分を責める気持ち、子どもへの愛情が持てないといった症状は産後うつ病を疑わせます。自殺や子どもへの影響の危険があるため、気分の状態と育児の状況を確かめ、家族の協力や専門医への紹介を整えます。
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